最初に「Go To Travel」キャンペーンが始まった時に変な名前だと言いつつも話題性も手伝って一気に広まり、この言葉を知らない人がいないくらいに定着しました。お国が作った新しい言葉がこれだけ短期間に浸透する例はそれほど多くないはずですが、「Go To Travel」は見事に普及したのです。1つのブランドとして確立したともいえます。
 
しかし!
一旦休止されて再開するにあたり、なんと、名前を変えてしまいました。しかも「全国旅行支援」という、何の個性もない当たり前のような名称にされてしまいました。さらに、可否や概要の最終判断を各都道府県の判断にゆだねるという理由から、都道府県ごとに名前を付けるようになってしまいました。
 
東京:「ただいま東京プラス」
新潟:「使っ得!にいがた旅割キャンペーン」
群馬:「愛郷ぐんま全国割」
長野:「信州割SPECIAL」 
 
なんということでしょう…!
 
「Go To Travel」とはルールを変えるとか、色々な事情があるのだと思います。
しかし、初期にこれだけ普及し定着したブランドを捨てるほどの理由は私には考えられません。検索データを見てもいまだに多くの人が「Go To Travel」で検索してるのです。名前が変わったこと、それに加えて都道府県ごとに別名にしたのは、利用者にとってもこの上なく不便です。利用者のことをまったく考えていないとしか思えません。
 
国策でも商売でも同じです。ブランド戦略、ユーザの利便性がいかに大切か、しかし場合によってはいかにそれが蔑ろにさせるかということを改めて痛感させられました。