この一年間、残念ながら不幸が色々とあり、葬式について考えさせられる機会が多くありました。

そういえば子供のころ、葬式代が最低でも100万円近くかかり、大規模なものなら数千万円かかるという話を聞いて、「葬式屋さんって儲かるんだな~。」なんて思っていた記憶があります。

今考えてみたら、商売としてそんな甘いものであるはずはありませんね。

まず集客が大変です。セールや無料クーポンなんて出来ないし、積極的に電話営業や訪問営業をかけるわけにもいかないものの、かといって何もしていなければ集客は0です。「もしもの時のために覚えておいてください。」というような、認知度アップの宣伝くらいしかできないわけです。かなり特殊です。

それから景気の影響を受けます。私も、何も知らかったころは葬式なら不況に関係ないと思っていましたが、実際は昨日書いた広告費の話と同様、景気が悪いときほど地味な葬式になる傾向があるのは想像に難くありません。

そして今回のコロナようなことがあれば、直撃を受けます。この2年間、大規模な葬式は、ほぼ0だったはずです。かといて飲食や旅行業のようにマスコミに大きく取り上げられて同情されることもなく、注目もされず、特殊な補助金や支援政策が出ることもありません。最近は葬式も復活してきましたが、一時期は大変だったことでしょう。

さらに、この2年間を経た後、「実はいらない」「簡素でいい」と認識されてしまった感があります。今後、コロナが完全終息しても元通りに戻ることは厳しいかも知れません。

あと…やはり四六時中、人の不幸に携わり、常に悲しむのが仕事ですから、精神的にもキツイでしょう。

やはり世の中、決して楽な仕事はありません。

その中でもお葬式屋さんの仕事は、特に悲しく、難しい仕事であるような気がします。