以前外資系に勤めていた時に海外の仲間から、「日本では上司より高い車を買ってはいけないのか?」と聞かれてびっくりしたことがありました。では日本以外ではいいのか…と。

私が日本の古典的な大企業に勤めていた時は、それが当然のように通っていました。そもそも会社で一番上の会長がベンツに乗って、社長がセンチュリー、専務が3ナンバーの大型クラウン、取締役が普通サイズのクラウン…なんてことが決まっていた気がします。私もそう教わったので、それが当然だと思っていました。あとは総理大臣の公用車がセンチュリーだから、他の政治家、企業の社長はそれ以上の車に乗るべきではないと聞いたこともあります。なので、日本ではバブルの時でさえ、ロールススロイスなどの世界的な最高級車に乗る政治家や企業人が海外に比べて少ないということでした。

もちろん、今の時代にそんな話は聞きません。しかし、そう思っている人も少なくないでしょう。例えば会社で食事に行っても上司より良いものを頼むのは勇気がいるようです。上司が(一番下の)カレーライスを頼むと他の人も自動的にカレーライスになってしまうという笑い話のようなことが今でも通っています。

そんな意味がない習慣にそろそろ終止符を打たないと、いつまで経っても若者が革新的なことを出来ない社会が持続してしまいそうです。