私自身が外資系に勤めていた時に思ったことですが、今でも海外のお客様とやり取りしていて同じことを痛感することがよくあります。
例えば、誰でも書けるような何か簡単な文章を書く仕事があるとします。外注すれば5万円、自社の社員に任せれば2時間程度だとします。この場合、日本企業の大半は自社でやる方を選ぶでしょう。しかし欧米の会社なら大抵は外注することを考えます。
自社でやる場合、その社員の年収が400万円だとすると会社のコストは実質600万円くらい、それを時給換算すると1時間3千円程度です。それなら自社でやった方が安いハズですね。しかし実際は、日本の会社では「社員を使えばタダ」と思っているか、そもそも時給換算で考える習慣すらない会社が多いと思います。
一方、欧米のしっかりした会社なら、時給は当然把握しつつ、さらに単純に時給だけで判断しません。時給が3千円といえども、その社員には時間当たり数万円かせぐくらい頑張ってもらわないといけませんし、その仕事で力をつけて将来さらに稼いでもらわないといけません。それこそが会社として雇う社員の本当の価値なのです。単に時給と同額の仕事をするだけなら意味はないでしょう。そう考えると例え5万円でも外注した方が安いという判断になるわけです。
こんなことが、日本が抱える色々な労働問題の原因の1つかも知れません。