昭和の時代からある習慣です。

日本では一番上の人が「カレーライス」と注文すると、その他の人は全員カレーライスを注文する習慣があります。上の人より良いものを食べてはいけないという不文律があるのと、他と同じことをするのが良い、「前にならえ」が良いと教えられてきたからでしょう。上司がいなくても、例えば友達同士でコーヒーを飲みに行っても同じものを注文する人が多いのです。

コーヒー屋に勤める友人いわく、インバウンドのお客さんは5人いれば全員が違うものを注文することが当たり前のようにあるそうです。しかも1人1人、単なる「ラテ」とかではなく、「ラテで熱めに作ってミルク多めに入れて」「アイスコーヒーで氷を少なめ、ガムシロップは2つ付けて」など、特注が付くことも多々あり、それを全部受け、更に個別会計するので大変だそうです。それに対して日本の特に年配者なら全員が「ホット」で片付くこともあります。会計だって個別より代表者がまとめて払う方が一般的です。

食べ物だけではありません。ワイシャツの色、スーツの色、車の色…様々なことで目立つことなく大勢に同調する習慣が根強くあります。

戦後の大量生産の時代ならこれが美徳だったかも知れませんが、今の時代、このままでは日本から画期的なことが起こるのは厳しいと思います。