コロナ以前から渋谷は飲食店の出入りが激しい街であることは確かです。家賃がべらぼうに高く、競争は激しく、期待していた通りの売り上げが3カ月上がらなければ即アウトなので、非常に厳しい世界なのでしょう。

しかし最近特に店舗の閉鎖が目立つようになってきた気がします。会社の近くでまったく関係ない二軒が並んで「テナント募集」になっているところさえあります。やはり「アフターコロナ」みたいな波があるのかも知れません。

私が色々な人から聞いたり読んだりした話を自分なりにまとめていると、3つのパターンがあるように思いました。

1.ゾンビ飲食店の閉店
コロナによる来客激減、あるいはそれ以前の問題として本来すでに閉鎖していてもおかしくない飲食店が各種助成金のために生き延びていた例です。助成金をもらうだけのために閉鎖せずに赤字でも開けておいた店もあるようです。それらは助成金がなくなったと同時に閉店します。

2.人手不足
需要がかつてないほど急回復したため、慢性的な人手不足になってしまい、倒産に至ったという話も沢山あります。黒字倒産という例もあります。コロナ時に解雇してしまった人は簡単には戻らないのでしょう。厳しいところです。

3.あらゆる質の低下
人手不足が原因の場合もありますが、お客さん0の日が連続したり臨時休業が長かったりすると、経営者も料理人も感覚が鈍る上にモチベーションも低下してしまった例もあるようです。助成金に頼ってしまったために、自ら集客したり料理やサービスを改善する努力が低下してしまった人もいるかも知れません。そうすると需要が回復してもお客さんは戻ってくれないものです。

その他の原因も色々あると思いますが、世の中が元に戻ったと言えども、決してすべてが順風満帆に行かないのが現実です。「アフターコロナショック」による波乱はしばらく続きそうです。