先日お会いした渋谷にある店舗の社長さんが、「インバウンド観光客を取り込みたい反面、常連さんの中には嫌う人もいる」と言って悩んでいらっしゃいました。

これ、すごくわかるような気がします。

インバウンド観光客がコロナ前の水準まで復活した今、都心にある店舗はどこもインバウンド観光客を取り込もうと必死になっています。どんな業種でも大きな収益源になるはずですし、これが成功するか否かで店として、会社としての明暗が分かれるでしょう。

その一方で、古くからの常連さんの中には店がインバウンド観光客で混むことを嫌がる人もいるようです。老舗と呼ばれる店や高級店、日本的な店などには多いのでしょう。そういえばコロナ前、大手百貨店も特に化粧品売り場やブランド品売り場などが観光客でごった返すようになり、日本の常連さんが来てくれなくなったという話もありました。

難しい問題です。

インバウンドは今は多くても永遠に続くとは限りません。他方、古くからの常連さんは、緊急事態宣言中のようにインバウンド客が0になった時も来てくれます。また不況時に店を助けるために頑張ってくれることもあります。インバウンド客はその場限りでしょう。

しかし短期的に見ると爆買いしてくれるインバウンド客を沢山取る方が店舗としての売上増加が期待できます。また景気低迷や少子高齢化が進む日本国内は市場が縮小する一方なので、20年、30年先まで考えるとインバウンドを取り込んでおくことは不可欠です。

どちらかを選ぶのではなく、うまく両方とも取り入れることが今の経営者に求められているのだと思います。