何度となく書いている話ですが、私が好きなネタなので、また書いてしまいます。

ビールの値段は缶ビールだと200円、まったく同じものが居酒屋で飲むと500円、高級なバーやレストランで飲むと1000円します。最高級店、料亭などならさらに高いでしょう。中身は同じビールです。

でも多くの人がこの上乗せ価格をためらうことなく払います。これで高いという人も(滅多に)いません。

当たり前なのですが、自分で買ってきて冷蔵庫で冷やし、グラスも冷やし、飲んだ後でそのグラスを洗うという行為にはコストが発生しています。ビールを買うとき以外に財布を開いていないのでコストは200円だと勘違いするのですが、一連の作業に使う時間や飲む場所を確保する費用、グラスの減価償却を考えると大抵は500円以上するでしょう。家で飲むなら家の家賃やローン、屋外で飲むのなら移動にかかる時間と費用をビール代に含めなくてはいけません。高級店の場所代+高級グラス+一流スタッフの腕+ビアサーバの手入れなどをトータルで考えると、高級店で飲むビール1,000円は決して高くないのです。

旅行先のホテルで缶ビールが400円で売られているのも同じことで説明が付きます。道中に自分で買って持参すれば200円だと思いがちですが、「道中に自分で買って持参する」という行為は無料ではありません。さらに飲む前に適温に冷やす必要もあります。これらの付加価値がプラス200円だと考えると缶ビール400円は納得できますね。

「高い!」で片づけず、見えない付加価値まで色々と考えてみると面白いものです。