昨日の続きです。

この総合職という名で三十数年間同じ企業に勤め、あらゆる職務をこなし、何でもできるようになったというジェネラリストが50代で部長になり、60歳で定年退職を迎えます。今の時代、まだ60歳なら働き盛りです。そして新しい職を探し出すのですが…多くの場合、うまくいきません。

定年になる直前は有名な大企業で部長職だったのなら年収1千万以上、一部の超大企業では2千万、3千万ともらっていたはずです。その人が転職先で同じ給料をもらうのは並大抵のことではありません。

大企業の部長で弁護士や会計士などの資格を持っている人、すごい技術を持っている技術者、特許を沢山とっている研究者など、何かの強みを持っている人ならチャンスはあります。しかし単に何でも出来ますという60歳の人を1千万で雇いたいという企業はありません。

意外と厳しいのは営業マンです。一つの大企業で30年間営業をやって常にトップ成績だったとしても、その会社の看板と組織があってこその営業でしょう。違う会社では使えない可能性が大なのです。そして「昔は活躍した」という武勇伝を話すだけの人になってしまうわけです。そんな人を雇いたいとは思いません。

これからの時代、常に20年先、30年先のことを考えて自分のキャリアを考えて行かないと、気づいたときには取り返しがつかないことになっているかも知れないのです。