昨日書いた「自国と世界」という話に少し関連します。

渋谷の街に訪日観光客があふれていると、どの飲食店も「インバウンドを取り入れたい」「外国人に来てもらいたい」と言います。それはもちろんいいのですが…。

「インバウンド観光客」「外国人」と一口にいっても、非常に多岐に渡ります。まるで世界200か国以上をすべて「外国」と一括りにしているのと同じです。「日本vs世界」という考えに共通しています。

実際、JNTOが発表している本年4月の数字で見ると、国別でダントツに多いのは韓国です。次は(コロナ前より減ったと言えども)中国、続いて台湾で、この三か国が今の「御三家」です。この三か国だけで全体の50%以上を占めているのです。その下に米国、タイなどが続きます。

それと比較して面白いのは消費額です。これは観光庁から数字が発表されています。

https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001754884.pdf

これによると、国別で現在ダントツに合計消費額が多いのは中国です。二位は米国、三位は台湾、四位が韓国です。一位の中国と比べると二位の米国は4割近く少ないので、いかに中国の消費額がダントツに大きいかということがわかります。韓国は人数では1位ですが、消費額だと4位なのです。これは合計金額なので人数が多い方が大きくなりやすいのは当然ですが、やはり1人当たりの平均額によって上下の入れ替えがありますね。一方、単純に一人当たりの消費額がで見ると高いのはフランス、英国、オーストラリアです。これらの国は人数だけで見ると中国の1/10程度ですが、一人当たりの消費額は高いのす。

たった2つの統計を見るだけで、このように色々なことがわかってきます。

インバウンドを取り込む戦略を立てる時は、単に「外国人」と一括りにしないで、国別の特徴を研究し、具体的なターゲットを決めた上で考えるべきなのです。