よく言われているように、日本のプロ野球と違って米国の大リーグには外国人枠というものがありません。実際には3割近くが米国人以外の選手だそうです。それも、あくまで大リーグが厳密に定義した「外国人」という範疇に入る「外国人」のみカウントされているわけです。なので広義で解釈すれば、さらに多いはずです。
元々アメリカは移民の国であり、多民族国家です。アメリカ生まれアメリカ育ちと言っても親や祖父母、その先くらいの代で海外から移住してきた人が大部分を占めます。そこまでカウントすると、場合によっては100%が「外国人」になってしまいますね。
つまり、そもそも日本で「外国人/日本人」というように、「外国人/米国人」という区別すら米国では希薄です。大リーグでは、どこの国出身の人であろうと、その国籍に注目するのではなく、単に選手としての活躍に注目しています。なので、大ホームランを打った選手のことをアメリカ国内で「A選手が大ホームランを打ちました!」という言ことはあっても、「ドミニカのA選手が大ホームランを打ちました!」なんて報道することはないでしょう。ドミニカ選手の活躍、ベネズエラ選手の活躍など、わざわざ国籍別に注目することもありません。もちろん、日本人選手が大活躍したからと言って、「日本人選手の活躍!」なんて言われることもありません。他国出身の選手と同様、単に選手名が言われるだけです。
野球に限ったことではありません。その昔、トヨタやソニーが米国で爆発的に売れたのは、「日本製品だから」というポイントではなく、それらの製品が高性能だったからです。それが日本製であってもドイツ製であっても、特に気にすることはありません。中国製品で同じくらい良いものがあれば、お構いなしにそちらに流れます。
それをしっかり理解しておかないと、「当社は日本の会社です」などと変に強調したりするなど、海外向けのマーケティング戦略を大きく誤ることになります。