「スパイラル」という言葉自体、日本では「デフレスパイラル」という言葉がブームに乗って(?)普及したためか、まるで悪いことのような印象があります。もちろん、「スパイラル」自体は良い方にも悪い方にも働くもので、どちらかというと良い方で使われるスパイラルの方が多い気がします。(いわゆる好循環ですが、実は「好循環」と「好スパイラル」とは意味が少し違います。)
飲食店の例がわかりやすいでしょう。一つの飲食店が軌道に乗って評判が上がってお客さんが沢山来るようになると、毎日新鮮な材料を仕入れてより良い料理を作るようになります。売り上げが伸びて資金に余裕ができてくると店内を改装したり、従業員を増やしてサービスをよりより良くすることもできるでしょう。すると更に評判が良くなり、さらにお客さんが増え、売り上げも増えます。そうしていい循環が続き、その循環が上に向かって伸びていきます。(この上に向かうというのがスパイラルで、同じ高さで回り続ける循環とは違うところです。)
もちろん逆もしかりです。お客さんがこないと新しい材料を仕入れずに前日の残りものを出すようになり、更にお客さんが減ってしまいます。そして店の改装も出来ず、設備の修理すら出来ないと、お客さんがますます減ってしまいます。従業員を雇うことができなければ、清掃も行き届かなくなるかも知れません。そうなると飲食店では致命的です。
どんな商売でもまったく同じです。
いかに上向きのいいスパイラルを築くか、それが一番重要なことであり、一番大変なことであると思います。