昭和時代から続いたメンバーシップ型の採用が、これからの時代はジョブ型になってくるという話は少し前に書きました。それがAIが加速的に浸透するにつれ、さらに細分化され、ジョブ型ではなくスキル型の採用が主流になってくると言われています。
まずメンバーシップ型は「会社員」として採用し、その人はその会社に一生所属するやり方ですね。この場合、職業を聞かれても「M商事です」と答えます。その人の仕事は「M商事」なのであり、その中で営業なのか経理なのか人事なのかは関係ないのです。それがメンバーシップ型です。
次はジョブ型。ジョブ型だと会社として採用するのではなく、担当として採用するのです。経理、人事、営業といった職務が決まっているわけです。なので、1つの会社に縛られることなく、経理なら経理、人事なら人事のスペシャリストとして他の企業に転職することができるようになるわけです。
そしてスキル型。これは更に一歩先にあります。例えば営業といっても、個人客相手に10万円の家電を売る営業と法人相手に10億円の大型投資案件を売る営業では全く違うスキルが求められます。そして、企業はそのスキルを持った人を採用するのです。逆にスキル型の就活を行う人は、「自分は企業向けダイレクトメールのノーハウがあり、業界平均10倍もの成約率を達成することができる。」とか、「自分はクラウド型の会計ソフトに精通していて、正確な経理処理を人の2倍のスピードで行います」と言って、自分をアピールすることが求められます。
反対に、こういうスキルを持った人が来れば、会社にとっては即採用したくなるでしょう。「M商事の課長でした。」とか、「経理をやっていました」とかでは通じないのです。経理で何をやっていて、人と違う強みは何かが重要なのです。
これらの人に負けないスキルがあれば、AIに左右されることもありません。
これからの時代、単に有名企業勤めているというだけではなく、また営業のスペシャリスト、経理のスペシャリストというだけでもなく、さらに自分にはどういうスキルがあるか、他人には真似できない何があるかということが必須になってくるのです。
