私たちが、特にビジネスシーンで日常的に使っている表現、「お手数をおかけします」は、相手のことを思いやる気持ちと相手に負担をかけることを謝罪する気持ちが含まれており、とても日本的な美しい表現だと私は思います。
相手に対して何かを依頼する時、これをつけるだけで、ぐっと丁寧になるものです。
ところがですね…。
この表現を必要以上に使っていると感じることが時々あります。
一つにはすごく簡単なことを依頼する時です。例えば何かの書類に住所・名前・電話番号などを書いてもらうのであれば確かに「お手数をおかけします」で良いのですが、単にペンを取ってもらうなど、わずか数秒で終わる作業に対して「お手数をおかけします」とつけると逆にイヤミな表現になってしまいます。
あともう一つ、これはありがちなのですが、本来相手の仕事であり当然なことに対して「お手数おかけします」を使うと違和感があります。例えば、行政書士さんに有償で依頼して役所に書類を取りに行ってもらう場合、それが本来の仕事なのでお手数をおかけすることにはなりません。しかしその人が役所に行くついでに別の窓口に行ってパンフレットを取ってきてもらったり、帰りにコンビニで弁当を買ってきてもらったりするのは、明らかにその人の業務外なので「お手数をおかけします」で正しいわけです。
社内でも同じです。本来の担当業務やその人の役割にあったことを頼む時は、「お手数おかけします」に違和感があります。その人に関係ないことを頼んだり、通常以上の手間がかかることを依頼する時は、「お手数をおかけします」で良いのです
丁寧な言葉といえども使い過ぎは禁物です。場面に応じ上手に使い分けることが大切だと思います。
