2025年6月の法改正で、カスタマーハラスメント(通称カスハラ)防止が厳しく行われるようになりました。飲食店の店頭やホテルのフロントなど、さまざまな場所に啓発ポスターが貼られています。これまで、客が優位な立場を利用して店員や従業員に過剰な要求をしたり、暴言を吐いたりすることが見過ごされてきたのを防ぐのが目的ですね。
これ自体は素晴らしいことだと思います。
その一方で、この規制が行き過ぎてしまうと、本来正当であるはずの要求すら控えてしまうということが起こりえます。
店側に不手際があった場合や、購入した商品に不具合があった場合など、客側が店や会社にその問題を伝えることや、交換・返品などを求めることは正当な行為です。にもかかわらず、これだけカスハラ防止の啓発活動が徹底されると、それすらやってはいけないような錯覚に陥ってしまうことがあります。
セクハラやパワハラ防止も同様です。パワハラに関しては、会社で上司が部下を厳しく指導するのは当然のことですが、場合によっては、単に注意しただけでもパワハラと言われかねません。そのため、どこの会社でもこれまでのように部下を厳しく指導することが難しくなっている面があります。
暴力行為は、言葉の暴力も含めて厳しく禁止されるべきです。しかし、その禁止が行き過ぎてしまい、本来正当であるはずのクレームや要求、指導など必要なことまでが気軽にできなくなれば、それは世の中にとってマイナスに作用するのではないかと思います。
