東京商工リサーチの調査によると、日本企業の約8割が中東情勢について自社の事業にマイナスの影響があると回答しています。エネルギーの大部分を輸入に頼っている日本において、中東情勢の緊迫が大きなマイナス要因であることは間違いないでしょう。

しかし、いつも不思議に思うのは、このような調査で一部の企業が「影響はない」と答えている点です。

中東情勢の緊迫により原油価格が高騰したことに対し、まったく影響を受けない企業が日本に存在するとは私には考えにくいのです。

例えば、少し手を止めて、オフィスや自宅の中を見渡してみてください。目に入るもののほとんどは、何らかの形で輸送されて届いていますね。どんな商品だってトラック、電車、船、飛行機など、いずれかの手段によって運ばれてきたはずです。そして、それらの運送手段はすべて原油を燃料としています。

電力についても、日本では7割が火力発電に依存しており、原油価格の影響をモロに受けやすい構造です。さらに、紙やプラスチックなどの素材にも原油が使われています。これらをまったく使わない生活は現実的ではありません。今この文章を読んでいるスマートフォンやパソコンも電力で動いており、間接的に影響を受けていると言えるでしょう。

もちろん、業務で自動車を使う企業や出張で交通機関を多く利用する企業は、燃料費の高騰による影響をより直接的に大きく受けるはずです。

こうして考えると、原油価格の上昇による影響をまったく受けない企業活動というのは、ほぼ存在しないのではないでしょうか。

おそらく「影響はない」と答えた企業は戦争による直接的なリスクがないといった意味で回答しているのかもしれません。

いずれにしても、企業としてはこの状況が長期化した場合に備えて万全の対策を整えておくことが不可欠だと思います。