先日、自社の英語ホームページを制作するにあたり、実験的に海外のフリーランサーマッチングサイトでデザインの公募を行ってみました。その結果、驚くことに、わずか2週間で約800件ものデザイン案が提出されました。報酬をやや高めに設定していたこともありますが、それ以上に、多くのデザイナーがAIツールを活用し、短時間でデザインを作成できるようになったことが大きいのでしょう。

良いことだと思います。

以前であれば、1つのデザインを仕上げるのに集中して丸一日、通常でも数日から1週間ほどかかるのが当たり前でした。それが今では、AIツールを使えば5分や10分で作れてしまいます。その結果、「数を出して当てる」というスタイルが主流になりつつあるのは間違いありません。

この流れ自体は否定するものではありません。しかし問題は、そのクオリティです。

AIが生成したデザインは、一見きれいにまとまっているものの、インパクトや訴求力に欠ける傾向があります。言い換えれば、(当たり前ですが)人間らしい温かみや親しみやすさが不足しているのです。

おそらくAIは、世の中に存在する無数のウェブデザインを参照し、その平均的な要素を組み合わせて生成しているのだと思われます。そのため、整ってはいるものの、これといった特徴がなく、結果として印象に残りにくいデザインになってしまいます。表現は難しいのですが、「心に響かない」という感覚がどうしても残ります。

もちろん、ワイヤーフレームの作成や最終調整の段階、仕上がり確認などでデザイナーがAIを活用することは、今や不可欠になっています。しかし、最初から最後までAIに依存してしまうと、人にしっかりと伝わるホームページにはなりにくいでしょう。

最終的に「人に伝わるかどうか」を考えられるのは、やはりAIではなく人間なのだと、あらためて感じました。