乗り物や映画館、野球場などの公共の場所では、自分で出したゴミはゴミ箱に捨てるか、持ち帰るのが当然のマナーです。日本では多くの人が当たり前のように実践していると思います。

ところが、以前こんな話を聞いたことがあります。

国によっては、「ゴミは残すのがマナー」だというのです。なぜなら、残されたゴミを片付けるのは清掃スタッフの仕事であり、客が持ち帰ってしまうと、その人たちの仕事を奪うことになる、という考え方があるからです。

そういえば、「お手伝いさんがいる家では、奥さんが台所に入ると怒られる」という話をアジアの国で聞いたこともあります。これも同じ理屈です。

また、会社でも、本来は秘書や部下が行うべき仕事を社長自身がやるのは好ましくない、とされる場合があります。もちろん、「社長ほど高い給料をもらっている人が雑務に時間を使うべきではない」という意味もありますが、それ以上に、部下や秘書の仕事を奪ってしまうという考え方が背景にあるのでしょう。

日本では、こうしたことをあまり気にせず、自分で片付けたり、自分で動いたりすることが普通に行われています。それは、多少仕事が減ったからといって、すぐに解雇されたり職を失ったりしない社会だからかもしれません。

一方、海外では、自分の仕事を守ることに対して、よりシビアな文化があるのでしょう。

どちらが正しいという話ではありませんが…それでも、ゴミくらいは自分で持ち帰りたいと思ってしまいますね。