日本の役所や大企業は、長年にわたり終身雇用を前提としてきたためか、「労働力の機会費用」という考え方が弱いと感じることがよくあります。
例えば、「翻訳くらい社内でやれば無料」という考え方は、その典型例でしょう。実際には、社内の貴重な人材が何時間も翻訳作業に時間を取られているわけで、その間も当然ながら人件費は発生しています。外注したほうが安く、効率的なケースが大半です。
今日ふとこのことを思ったのは、社内のスタッフが送られてきたアンケートに回答していたのを見た時です。
さすがに民間企業のアンケートでは、最近は謝礼としてAmazonギフト券やQUOカードなどを抽選でプレゼントすることも珍しくありません。しかし行政機関や半公的機関などのアンケートは、当然のように無償で回答を求められます。
もし年収2,000万円の経営者や大企業の役職者が、そのアンケート回答に30分かけたとすれば、単純計算でも5千円分の労働コストが発生していることになります。
労働の対価は目に見えないため意識されにくいのですが、お店で5,000円の商品を指して「無料でください」と言っているのと同じです。本来であれば、あり得ないでしょう。
海外でこうした無償アンケートがどの程度行われているのかは分かりません。しかし少なくとも日本では、「人の時間」に対する機会費用の認識がかなり甘いように思います。
