この言葉も、最近になって頻繁に耳にするようになりました。30年前には、ほとんど聞くことがなかった言葉でしょう。
内閣府のホームページによると、「仕事と生活の調和」と書かれています。そしてその中身として、経済的自立、健康で豊かな生活のための時間確保、立場・性別・年齢にかかわらない多様な働き方や生き方の実現などが挙げられています。
ところがですね……。
実際に多くの人が「ワークライフバランス」と言う時、単に残業のない定時退社や、それによるアフターファイブの充実、休暇の確保とその有効活用くらいの意味で使っているのではないでしょうか。
しかし、私が思うに、ワークライフバランスとは、本来、人によって全く違っていて良いものなのです。
もちろん、多くの人にとっては、残業なく定時で帰れることが理想のワークライフバランスかもしれません。その一方で、例えば「1か月休まず働く代わりに、10日間連続で休んで旅行したい。」と考える人がいても不思議ではありません。それがその人にとってワークライフバランスなのです。
さらに、日本ではあまり見かけませんが、10年間、残業も休日出勤も厭わず働き、十分なお金を貯めた後に1年間休んで旅行するというような生き方を選ぶ人がいても良いはずです。
以前、私が実際に米国で出会った大型石油タンカーの船長さんは、「3か月連続で船に乗って働き、3か月連続で休むサイクルを繰り返している」と言っていました。その3か月の休暇中は、フリーランスのダイビングインストラクターをしているのです。
私から見ると、これは非常に魅力的なワークライフバランスの一例です。
さらに仕事が趣味で、仕事以外は何もしなくていいという人だっていることは確かです。その人にとっては仕事100%がワークライフバランスなのです。
何でも一律になりがちな日本では、「労働時間を短くすること」や、「趣味や家族との時間を大切にすること」だけがワークライフバランスだと思われている節がありますが、本来は人によって価値観が違って当然です。
だからこそ、日本でも本当の意味で多種多様なワークライフバランスがあってしかるべきなのだと私は思います。
