よく「失敗から学べ」といいます。私はこの言葉があまり好きではありません。
失敗から学ぶこと自体は良いことなのですが、それは本来ケースバイケースなことであり、どんなときにも当てはまることではないのです。
例えば子供ならドンドン失敗して学んでいけばいいでしょう。大学生まではそれで構いません。
しかし社会人、プロとしてはどうでしょう。
例えば皆さんがラーメン屋さんに行ってお金を払ってラーメンを食べる際、店長が若い店員に作らせながら、「彼は新人で、失敗しながら学んでいます。」と言われたらどう思いますか?または、食べたラーメンがまずくて文句を行った際に、「失敗から学んでいるので。」と言われたらどうでしょう?
あるいは、タクシーに乗って、運転手さんが道を間違えた際に、「失敗から学ぶのです。」と言われたらどうですか?
いずれの例も同じです。お金をもらって働くプロとして、「失敗から学ぶ」という考えで最初から仕事をしているようでは失格でしょう。
勘違いしている人が多いのですが、「失敗から学べ」というのは、本来、失敗して落ち込んでいる人を慰めるために使う言葉なのです。子供ではないのだから、お金をもらって働いている社会人が最初から失敗して学ぼうという姿勢ではいけません。失敗は絶対にしないように全力を尽くすのが当然です。その結果として失敗してしまったときに、そこから学ぶことを考えるべきなのです。
マネージャーでも同じです。部下が失敗しないように全力サポートするのが上司としての役割であり、最初から失敗させて学ばせようという考えはいかがなものでしょうか?
失敗を恐れずチャレンジすることは大事です。それと「失敗から学べ」は全然違います。
色々な意見があるとは思いますが、私は「失敗から学べ」という言葉には賛同できません。