最近読んだ記事*によると、ブランド名の愛称を広告などで使用すると効果が低くなるそうです。
これって直感的にもわかるような気がします。
例えばアメリカ最大の小売業であるWalmartが愛称である「Wally World」をネット広告で使ったところ、クリック率が著しく低下し、購入につながった率(CV)も更に大きく低下したということです。Rolex、BMWといった世界的ブランドでも同じ結果になったそうです。
お客さんがかわいいニックネームをつけてくれたからといって、正式名称より認知度が低いものであれば、それを公式なホームページや広告で使用するべきではないのでしょう。
一般的に愛称、通称を広告に使うと失敗につながります。認知度がブランド名より低いのに加え、本家が出している公式広告なのに、どこかインチキくさい感じがするのかも知れません。
例えばマクドナルドを「マック」と呼ぶ言い方は一般的に浸透しているように思われがちです。でもそれは関東圏のことであり、地方によっては「マック」が「マクド」になったりしますし、決して全国的に「マック」が浸透してるわけではないのです。
一方、コカコーラについては「コーク」という通称は英語圏で知らない人はいませんし、これそのものが大きなブランドとなっているため、このレベルであれば充分に通用するかも知れません。しかし、これは例外的な話です。
そういえば以前マネーフォワードの社長が、マネーフォワードという名前を「MF」に略して「MFクラウド」などサービス名として使い出したところ、元々このブランド名を考えてくれたクリエーターから「ブランディングを考えると、やめた方がいい」と言われたそうです。
ブランドとして十分に浸透してきた名前を通称に変えてしまっては、せっかくのブランド効果が下がるのです。
一流企業、世界的企業でさえも愛称が通用しないことを考えると、一般的な企業では絶対に使わない方が良さそうです。
(*Harvard Business Review Jan-Feb 2025)