昨日ブログを書いていてもう一つ思い出したのは、自分から遠く離れた国同士の距離感です。
例えば日本に住んでいる私にとって、日本と韓国や香港、シンガポールとの位置関係は非常にクリアですし、それぞれが東京からどのくらいの距離があるのかも感覚的にわかっています。これらの国は言葉も文化もまったく違うということも知っています。一方、私は(アフリカ大陸の)エチオピアとケニア、ルワンダなどの位置関係はわかりませんし、使用されている言語やそれぞれの国の特徴も言えません。いや、日本に住んでいる人でこれらをすべて正確に言える人は少ないでしょう。
いや、それどころか我々にとってもっと馴染みがあるはずの国、例えばオランダとベルギー、スコットランドとアイルランドの位置関係や文化、言語の違いだって、知らない人が多いはずです。同じヨーロッパの中にあり隣接しているドイツ、フランス、スイスなどの国について、言葉や文化が違うことは知っていても、どのくらいの距離感があるのか、ピンとこない人も多いでしょう。
逆から見た場合でも同じです。
私がフランス企業の日本支社に勤めていた時、パリ本社の人たちが香港と日本をまるで同一のように思っていて、説明するのに何度も苦労した覚えがあります。距離的に近いと思っているどころか、言葉も文化も似ていると思っていたようです。
自分から距離が遠く、馴染みが薄い国の知識というのは、往々にしてその程度なのです。
同じような例は、現在でも海外のお客様と日々やり取りをしていて頻発します。
自分が知らない国、物理的にも心理的にも距離が遠く馴染みが薄い国とのビジネスは、常に最深の注意を払う必要があるのです。