渋谷の繁華街でほぼ同じ時期に二軒のハンバーガー屋がオープンしました。どちらもハンバーガーではない業種の企業がやっている店で、全国チェーンの大手ハンバーガー屋ではなく、聞いたことがないブランドです。二軒の場所は徒歩30秒くらいしか離れていません。どちらも人通りが多い道に面しています。

数年経過した今、片方の店が閉店しました。残りの店は連日大繁盛しています。聞いた話では1日の売上が大手チェーンの5-6倍もあるそうです。

素人ながら思うにですね…。

もちろん商売なので成功や失敗の要素は非常に多岐に渡るでしょう。なので一概には言えないものの、その1つとしては価格帯だと思うのです。閉店した店は300-500円の格安路線、成功した店は1,000-3,000円という高級路線です。格安店はデフレ大国の日本で若者向けにしているのはいいとして、実際問題、超一等地の家賃と人件費を考えると薄利多売を狙った商売は薄氷を踏むのと同じです。常に大繁盛していれば良いものの、少しでも客数が減ると重い固定費がドッシリかかってくるため、すぐに大きな赤字が発生します。一方、利ザヤがある高級店ならその心配は低いのです。

あとはターゲット層。格安店は渋谷に来る日本の若者を主なターゲットにしたのに対し、高級店はインバウンド客を主なターゲットにしてます。インバウンドの観光客は平均して所得が高いのに対して日本の物価は主要先進国の中でダントツに低いので有利です。旅行客なら財布のひもが緩い人も多いものです。なので1,000~3,000円のハンバーガーも安いはずです。それよりも高品質を追求するでしょう。見事に戦略通りだったというわけです。

もちろんこれ以外にも山ほど色々な要因はあると思いますし、すべての業種に共通することではありませんが、この明暗をわけた理由を考えてみることで、1つの例として参考になると思います。