ネット予約の普及に伴い、飲食店のドタキャンが増えたことは以前書きました。

レストランのドタキャンが増えた話

レストランとしては、本来なら他のお客さんを入れることができたのにその機会を失ったわけなので、(実際に払ってもらえるかは別として)キャンセル料を請求する権利があるのは当然です。

しかしお客さんとしては、「どうしても仕方ない理由で1日前に連絡しているのに、全額取るとは…」と思ってしまうのも理解できます。私たちも経験があります。

特に完全キャンセルではなく、4名が3名になっただけならテーブル数は同じだし、食べ放題の店で原材料仕入れの増減がないのであれば、レストラン側も実質的な損害は0に近いはずです。もちろん、レストラン側もその都度、実質損失額を計算して決めることもできませんね。マニュアル通りにするしかないのでしょう。でもやはり、やむを得ない理由があり、ちゃんと電話もかけて、ちゃんと残りのメンバーで行ったお客さんとしては、キャンセル料を請求されるのは決して気持ちいいことではないわけです。

その一方で今でも時々思い出すのは、数年前に私が仲間と泊った宿で急病人が出て、救急搬送されてしまったときのこと。既に人数分の食事が用意されて食卓に並んでいて、布団も用意されている段階です。宿泊代を請求されて当然なのにもかかわらず、キャンセル料の支払いを「いだたくわけにはいきません。」と言って断わられてしまいました。オヤジさんのお人柄を感じます。

当然、この宿にはその後何度もリピートしています。かたや、残念ながら前者のレストランは仲間が非常に残念がっていて、もう行くことはありません。店としてはリピーターになりうるグループを失ったことになります。

キャンセル料を取るのは理にかなっていることとはいえども、常に合理的な判断が正しいとは限りません。難しいところです。