もはや日本の社会問題というレベルになっている話であり、いまさら私がここで論じるようなことではありません。しかし今回、身近なところで痛感する出来事があり、色々と考えさせられるものがありました。

私が30年近く通っていた小さなフランス料理店です。オーナー夫婦が引退を決め、長年一緒に働いていた弟子に店を任せることに決めたものの、色々と思った通りに行かず、結局は店を閉鎖することにしたのです。お弟子さんも料理の腕はピカイチで、オーナーシェフに負けないくらいの技術を既に身に付けていました。店の場所、内装、常連客共にこれ以上ないくらいの好条件がそろっています。資金的にも大きな問題はないはずです。

存続を断念した具体的な理由は知りませんが…私が想像するに、技術は引き継げても、オーナー夫妻のお人柄までを引き継ぐことが出来なかったのではないでしょうか?私を含め常連客は料理、場所、内装に加え、オーナー夫婦のお人柄に惹かれて通っていた人が多かったはずです。若いシェフに世代交代した場合、他の条件はすべてそろっていても、やはり何か物足りないものを感じることになったと思います。

どんな大企業でも、個人商売でも、後継者問題は深刻です。銀行やM&A業者が主に着目する財務指標だけがすべてではないのです。

数字だけでは説明できない、複雑な要因があることを痛感しました。