日本語でサービスというと、無料の意味があります。

例えば店で、「今日はビール1本サービスしておきます。」と言われると、それはビール1本無料という意味ですね。

この意味は、英語にはありません。
英語のServiceには無料の意味がないのです。
翻訳を間違えると大きな誤解が発生します。

もちろん日本語でも、例えば「あのレストランはサービスがいい。」という場合、別に無料で食べられるとか無料で何かをもらえるという意味ではなく、店員さんが期待以上に親切にしてくれたとか、対応が丁寧だったという意味でしょう。これは英語のServiceと同じ意味です。

ところが、「サービスがいい」という日本語は、やはり無料という意味が含まれていると思うのです。つまり料理には金を払うけど、配膳や客に対して期待以上に親切にしてくれることは無料で当たり前という考えが、私たちの頭のどこかにあるのではないでしょうか?そして無料で期待以上のことをしてくれた場合に「サービスがいい」と感じるのです。

もちろん、それも料理代に含まれているのだから、決して無料ではありません。でも日本では高い料理代を払った代わりに無料でやってもらえるものがサービスという考えなのです。一方、米国では料理代とは別にサービス代はチップとして払うため、サービスは有料なのが当然。言葉の中にも無料という意味はないのです。

どちらが良い悪いということはありません。この違いをしっかり理解しておかないと誤訳や誤解の原因になります。