私が受けたある有名な経営学者のオンラインセミナーで、そんな話があり、深く納得してしまいました。家庭の経営より、会社の経営の方がずっと簡単だというのです。最初、「え?そんなことはないだろう!」と思いますね。でも理由を聞くと納得です。
多くの場合、家庭のゴールは「幸せの実現」です。そうではない家庭はあり得ないと思います。そして企業のゴールはNPOなどを除き、すべて「稼ぐこと」です。もちろん表立って堂々と言っているところは少ないですし、企業であれば社会的な役割があり、理念があります。それは間違っていません。しかし理念の実現だって、稼ぐことなしにはありえません。
私は知らなかったのですが、松下幸之助さんはハッキリと「儲ける」という一言を堂々と大きく掲げていたそうです。とってもシンプルでわかりやすく、単刀直入だと思います。今の時代でも、著名で崇高な経営者の方が同じ一言を大きく書いて額に入れて掲げているそうです。企業であれば、当然のことではあるのですが…ややもすれば非現実的な理想に走ってしまい、見失っていることもあるでしょう。
一方、家庭にとってゴールである「幸せの実現」というのは漠然とした概念であり、人によって違います。家族が4人いれば、1人1人が違ってもおかしくありません。それを目ざすのは簡単ではないのでしょう。それに対して「儲ける」というのは誰に対しても明白なゴールで、これ以上わかりやすいことはありません。
「家庭より会社の経営が簡単」というのは極端ですが不滅の真理なのかも知れません。