聞きなれない言葉かも知れません。ヨーロッパのホテルなどで、たまに見ることがあります。
All Inclusive(オールインクルーシブ)というのは、文字通り、すべてコミコミということです。ホテルなら夕食、朝食に加えてソフトドリンクからアルコール類まですべて込み、さらにリゾートホテルではホテル主催のアクティビティまで料金に含まれているということです。滞在中に追加料金を一切気にしなくていいというのが最大のメリットでしょう。特にリゾートに来ているのなら、細かい勘定を気にしなくていいメリットは大きいと思います。
その一方で多様化の時代に合わないという考えもあります。高級リゾートホテルに泊まっていながらも夕食は外に食べに行きたいとか、レンタカーを借りて自分で好きなところに行って好きなことをしたい、人と違うことをしたいという人には向かないわけです。遊び慣れた人、旅慣れた人が増えてくるにつれ、オールインクルーシブである必要が薄れてきているのでしょう。
日本では旅館なら特に指定しなくても夕食朝食付が一般的ですね。しかしこれも、最近では素泊まり料金の設定が増えてきているようです。やはり宿は宿、食事は食事で選びたいという人が増えているということです。旅慣れた人、遊び慣れた人、またはビジネス客などで食事の時間を自分で決めたいという人にはこの方が向いているわけです。
レストランでいうと、食べ放題+飲み放題は根強い人気があるものの、一定数の人がアラカルトを望みます。
業種はまったく違いますが、ホームページ制作でも同じです。初期の頃は「すべてコミコミパック」のような設定が好評でしたが、多くの人が慣れてくるにつれ、「ドメインは自社で取得済みのものを使う」とか「制作後の管理は自社で行う」というお客様が、最近はとても多くいらっしゃいます。
All Inclusiveも魅力的ですが、多様なニーズに対して柔軟に対応できる能力も不可欠なのだと思います。