「日本食が世界的ブーム」なんて報道されるのを見ると、まるで世界中の人が日本食を好んで食べるかのような錯覚を持ってしまいます。
もちろん、実際は違います。日本食がブームなのは世界の中でもほんの一部であり、その中のさらに一部の人に好かれているというだけの話です。
また、海外から日本に来ている人についてもしかり。もちろん日本食を楽しみに来ている人も沢山いるものの、ショッピング目的だけで来ている人、スキー目的で来ている人、ビジネスで(イヤイヤながら)来ている人もいるわけです。日本食が嫌いな人も沢山います。その人達に日本食を出しても喜ばれません。
そしてもう一つ、朝食は夕食と違い、日本でも外国でも完全に習慣化している人や毎日同じものを食べることにしている人が沢山います。(私のように)和食でも洋食でも毎朝ガッツリ食べる人もいれば、朝は食欲がなくほとんど食べない人もいます。また日本ならご飯とみそ汁と納豆に決まっている人もいますし、欧米なら毎日必ずパンとコーヒーだけとか、シリアルだけとか、果物だけとかいう人もいます。その人たちに対してお仕着せで一律の和定食を出したところで、喜ばれないでしょう。
選択肢がなく、食べるものがすべて最初から決められているというのも欧米の人たちは嫌うはずです。これは朝食だけでなく夕食も同じです。日本では定食やコース料理が多いものの、欧米ではアラカルトの方が一般的です。
海外ビジネス、海外マーケティングもまったく同じです。テレビの脚色された情報を鵜呑みにして文化の違いを理解していないと、大きなミスをすることになってしまいます。