米国を始めとして多くの国では買い物をするときに値段交渉をするのが当たり前の文化になっています。B2C、B2Bともに同じです。欧米のビジネスマンと商談をすると、大抵は最初に売り手が提示した値段に対して理由をつけて値下げを要求してきます。別に悪気があるわけではなく、これが一般的なビジネスの流れなのです。そして何度かやり取りをした後、最終的に両者が納得できる価格に着地し、契約に至るというわけです。
一方、日本では(私の故郷である)関西以外で値引き交渉になることは滅多にありません。売り手が提示した価格で決定することが一般的です。売り手にしてはとてもラクに思えるのですが…必ずしも、そうではありません。
もし最初に提示した価格が相手側の予算を上回った場合、それだけで「今回は他社に決定しました」の一言で終わってしまう可能性があります。これが交渉する文化だと、提示価格が予算オーバーであることを相手が教えてくれるでしょう。そしてそれに対し単純な値引きに応じるか不要な項目を削って、相手の予算に合わせようとします。そして最終的にお互いに合意できるところで着地することができます。私自身の経験でも、海外との商談の際にこのような流れで契約が成立したことが何度かあります。もし交渉しない文化の企業が相手だったら予算が合わなかった時点で終了していたかも知れません。
交渉する文化交渉しない文化のどちらが良いというわけではありませんが、一長一短がある事は確かだと思います。