これも昔からよく聞く話です。私がかつて勤めていた海外の企業などで、頻繁に聞かれたことです。
「日本には書かれていないルール(Unwritten Rule)が沢山あるらしいけど、なぜだ?」とか、「来月出張に行くから教えてほしい。」という具合です。この「書かれていないルール」というのは、つまり暗黙のルールですね。
日本で生まれ育って日本で30数年仕事をしている私だって、いまだにわからないことが沢山あります。海外から初めて日本に来る人がわからないのは当然といえます。
今までよく言われていたのは名刺交換の習慣です。名刺交換自体は海外でもありますし、日本的に都度行うという習慣はかなり浸透してきているような気がしますが、その方法、作法は独自ですね。特に決まりとして明文化されているわけでなないものの、ある程度は従わないと恥をかきます。
年功序列による上下関係、席順、入退室順序もしかり。どの国でもある程度の年功序列はありますし、それに従った席順はあります。しかし日本ほど厳密で厳しいところは(韓国を除き)少ないはずです。
会議の中での発言権や発言の順番、意見や質問の出し方など、全体的には日本独自というわけではないものの、やはり国によって微妙な違いがあります。どの国でもトップの人を出し抜いて末席が発言することはないものの、日本では質問も控えめにしなくてはいけないのは、知らない人が多いかもしれません。
納期厳守や約束時間を正確に守ることを絶対とする習慣も同じで、欧米でもドイツやスイスなど厳しいところはあるものの、甘い国の方が多いものです。約束に10分遅刻する、納期を1日遅れるなどで日本では問題になるのが理解できない人も多いようです。
完璧が求められる書類、1円のミスも許されない金額計算もしかりです。
慣れてしまえば当たり前のことばかりでも、知らないと大変です。
やはり日本を十分に知らない海外の人が日本でビジネスをするときは、頼れる日本のビジネスパートナーを見つけることが必須であり、一番の近道だと思います。