欧米企業の人たちから、時々そんなことを言われます。

「アジアの中で香港、シンガポール、台湾はうまくいったのに、日本だけがうまくいかない。」
「韓国では売れたのに、日本では売れない。」

毎回こういう話を聞いていると、「アジアと一括りで言っても、それぞれ全然違うのに…」と思ってしまいます。まあ、そういう私だって「欧米の」と言って、欧州と米国を一緒にしていますね。欧州の中だって、ドイツとフランスと英国ではまったく異なるのにもかかわらず、「欧州では」と一括りにすることはかなり無理があります。ましてや、米国と欧州では文化も言葉も完全に違うものです。

さて。
アジアの中で日本だけがうまくいかないという場合、一番考えられるのは英語の普及度でしょう。特にインドやシンガポール、香港、フィリピン、韓国などでは英語の普及率が非常に高いため、米国発のサービスを受け入れやすいことは確かです。

そして日本で英語が普及していないということは、まずホームページが完全に日本語化されていないと使えないということにつながります。もちろん広告なども日本語にする必要があります。当然、製品、サービスも日本語が必須です。

またB2Bの場合、日本でのサポートや日本にオフィスがあることが必須です。これらがないと、それだけでスルーされる可能性が大です。

それから…歴史的なものもあるでしょう。日本は島国であり、他国から完全に独立しており、歴史上一度も占領されたり属国になったこともありません。やはり異文化をそのままで受け入れにくいという文化があることは間違いなさそうです。

ただ、これは日本に限らず、どの国に進出する時も同じです。国別の戦略を考えず、「海外では」とか、「欧米では」「アジア」では」などと一括りで考えているようででは、必ず失敗します。