何度かこのブログに書いていることとですが、先日、60過ぎで退職したある先輩からも同じ話を聞きました。
その方は大手金融機関でファンドマネージャーとして活躍し、退職後、別の会社の財務アドバイザーとして再就職することができたのです。しかもある程度の待遇を確保されているとのことです。
一方、有名大学を卒業して有名大企業に就職、40年間勤めていても社内調整や報告書作成だけに明け暮れていた人は、定年退職後、再就職するのが非常に難しいはずです。これが会計士や税理士等の難しい資格を持っていて、その分野に20年、30年間ずっと特化していた人ならまた状況は違うはずです。
あるいは営業のスペシャリストで、非常に大きな功績を会社に残した人、プログラマーなどでヒット商品をたくさん作った人、TOEIC990点の海外営業プロ…何かそういうスペシャリティーを持っている人は、年齢に関係なくどこの企業に行っても活躍できるはずです。しかし日本の大企業の場合は終身雇用が前提なので、転職を視野にいれて専門的な能力を身に着けようとする人が少ないのが現状です。会社側も、すべてを満遍なくこなすジェネラリストを好む傾向があるため、結果として、社内調整や報告書書きが上手い人が上司から認められ、出世するのも事実です。そして偉くなり、一流企業の部長や役員という立派な肩書を持って威張っていても、退職後に再就職すらできないという厳しい現実を目の当たりにするわけです。
終身雇用が崩れつつある今の時代、どこの会社に行っても通用する能力を早い段階で身に付けておくことが必須なのだと思います。