人は有利な証拠ばかりを集め、物事を正当化する本能があるそうです。
どういうことかと言うと、例えば営業。これは当然のことですね。広告では自社製品の優位点を立証するデータばかりを提示し、不利になるデータを出す事はありません。そんな広告、見たことがないでしょう。
英会話教室なら、TOEICの点数が500点から800点に上がった人、英検1級に合格した人などのデータを出しますが、反対に成績が全然上がらなかった人の話を出すことはありません。当たり前です。
私自身もしかり。毎日スポーツクラブに通り体重が減ったことを表すデータなら喜んで見せますが、それにかかった費用やそれに費やした時間などを示すデータは探そうともしません。
どんな些細なことに対しても、おそらく多くの人が同じかと思います。
ところが怖いのは…会社の事業判断や経営判断などの重要局面でこの本能が出てしまうことです。一度決めたことならそれをサポートする有利なデータばかりをみんなで探し出してしまいます。しかし実際には不利なデータもたくさんあるはずなのですが、大半の人は探そうともしません。これにより判断が狂ってしまう事例は多々あることでしょう。
個人の趣味ならともかく、会社レベルで大きな判断をするときは、やはり良いデータと悪いデータを両方とも集め、客観的に見比べ、最終判断を下すことが不可欠なのだと思います。