久々にそんな言葉を耳にしました。色々な意味がある言葉ですが、通常、日本の大企業サラリーマンがこの言葉を使うときは、会社として収益の柱であるメインのビジネスが本流、そうでないビジネスのことを亜流と呼んでいます。
もちろん、本流のビジネスに携わっている人が会社の中では偉いとされており、出生街道というわけです。例えば私が元々いた大手銀行では、その時代で本流と言えば古典的な融資業務でした。一方、国際業務やシステム業務等は亜流とされていました。
なので頭取や専務など上の役員になる人たちは、本流の融資関係業務をしていた人が大半だったのです。システムや国際関係など亜流と呼ばれていた仕事をしていた人は、トップまで上り詰めるのは至難でした。
ただ時代が変わる中、他の銀行に先駆けて、亜流と言われていた国際畑の人をあえて役員まで引き上げるなど、アピールを兼ねてやっていた気もします。
他社の業種のことは知りませんが、メーカでも一緒だったはずです。例えばソニーなら恐らく音響関連の業務が本流、ゲームなどは亜流だったと想像します。パナソニックなら家電が本流だったのでしょう。
ところが激動の時代になると本流と亜流という区別はなくなってきます。IT部門を亜流などと呼び、システムを軽視したメガバンクがどうなったかは、皆さんもご存知の通りです。
製造業、他の業界も然りです。亜流と言われていたビジネスがいつの間にか稼ぎ頭になり、本流に変わり、それに早く気づいて力配分を変えてきたところは成功していますし、いつまでも旧態以前とした本流・亜流に固着していたところは失敗してるはずです。
今の時代、本当に大切なのは本流か亜流かということではなく、変化にいち早く対応できる柔軟な体制だと思います。