時々、海外のお客様から「日本向けに専用SNSを本国の英語版とは別に構築したい」とのご相談をいただくことがあります。また、それとは反対に日本のお客様から「英語版のFacebookを運用したい」との相談をいただくこともあります。

どちらの場合も多くの人が想像しているよりはるかに困難を伴うと、私は思っています。

例えば日本企業が海外向けに英語Facebookを別に作り運用するのは、次の長短があると思います。

【長所】
 a)英語だけの発信ができる。
 b)英語圏に向けての内容に特化できる。
【短所】
 c)日本語版と二つ運用する大きな手間がある。
 d)今まで築き上げたフォロワー、評判などを引き継げない。

私がこれまで他のお客様でお伺いしてきた限りでは、cは努力次第で可能ですが、dが簡単には引き継げないことが多々あります。これまで5年も10年もかけて1万以上のフォロワーをつけたのに、それをまた0から再スタートするのは並大抵のことではありません。さらに5年は必要でしょう。

また英語圏に特化した英語版にする際、ハッシュタグを使い分けるなど、想像以上に手間がかかるようです。大企業などで専任の担当者がいれば別ですが、単に英語が得意なスタッフに片手間でやらせると、かなりの高確率で失敗します。

残念ながら、弊社のお客様では今のところ成功例がありません。

言葉を変えてSNSアカウントを2つ使い分けることに反対はしませんが、想像以上に簡単でないことを事前に理解し、念入りな長期戦略を考えてからスタートすることが不可欠です。