少し前の話ですが、私がよく行って親しくしていた飲食店の店長が突然辞めました。まあ、今の時代、飲食店は5年間続けば良い方と言われているらしく、それだけ人の出入りが激しい業界になっているようです。寿司職人やフランス料理職人など、本当に職人としてその道を極める場合の修行なら今でも10年と言われているようですが、そうでない一般的な飲食店の場合は、短期間で転職を繰り返す人が多いそうです。

で、私が社長さんが聞いた店長の辞職は決して喧嘩別れではないのないものの、円満退職でもなかったようです。ある日突然、「独立するので辞めます。」と、社長に申し出たそうです。長い付き合いで、朝から晩まで一緒にいて苦労を共にした仲なのだから、その前に一言相談して欲しかったと、社長は残念がっていました。

その気持ちわかるような気もします。私がこの社長の立場だったら、同じように感じていたでしょう。

しかしその一方で、辞めた店長も社長と仲良しだったといえども、職場の上下関係があるのだし、職場や上司に対して100%不満がなくすべて満足という事はなかったはずです。何らかのわだかまりもあったに違いありません。独立を考え始めたところで、そこで社長と簡単に相談することもできなかったのでしょう。その気持ちもわかるような気がします。

往々にして、何もかもキレイに問題なく円満退職という事は、特に今の時代、簡単ではなさそうです。