何年か前にも書きましたが、先日受けたセミナーで聞いた話でも、最近読んだ調査でも、「管理職になりたくない」という人が日本では圧倒的に多いとのことです。国際的な比較を見ても、先進国の中で日本が飛びぬけて多いようです。

日本能率協会マネジメントセンターが2023年に行った調査では、「管理職になりたくない人」の割合は77%だったそうです。また、パーソル総合研究所の2024年の調査では、反対に「管理職になりたい人」の割合が17.2%だったので、つまり「なりたくない人」が83%もいたわけです。どの調査を見ても、概ね8割前後の人が「なりたくない」派だということがわかります。

その理由として挙がるのは「責任が重くなる」、「残業が増える」、「妬みを受ける」などです。調査によっては「自分は向いていない」という回答がダントツだったものもあるようですが、これは他の理由を総合して「自分は向いていない」と答えているような感じです。

Z世代を中心に、多くの人が「現状でいい。」「仕事はほどほどに。」「自由が欲しい。」「責任は取りたくない。」などと考えているようです。毎日夜中まで働いていた時代に比べ、残業が厳しく規制されるようになった今の時代は自由は十分に確保されていると思うのですが…。まだ足りないのでしょうか。

また「責任を取りたくない」というのは、有名会社が何か問題を起こすとマスコミが鬼の首を取ったように大喜びで大々的に取り上げ、厳しく追及している記者会見の様子などがニュースで報道されるからでしょう。あれを見ると、誰だって管理職になりたくないと考えるに違いありません。

「No1にならなくていい」「今のままでいい」というのは低欲望社会の表れですが、だからと言ってZ世代だけの問題ではないはずです。居酒屋で常に愚痴をこぼしている40代、50代の人たち、人の失敗を大喜びするマスコミなどにも大きな責任問題がありそうです。