昨日、スタンダードな部屋で1泊30万円以上するような最高級ホテルが東京にも出現した話を書きました。

それで思い出したのは、30年も前のことです。私がまだ20代で、海外の旅行先を決める際に物価が非常に低い国なら最高級リゾートホテルも安価で泊まれると思って探してみたのです。ところがですね…私が見つけたのは、物価が日本の1/10くらいの発展途上国で平均月収が2-3万円という国の高級リゾートホテルです。なんと、当時で1泊3万円もしていたのです。どう考えても月収3万円の人が1泊3万円のホテルに泊まるとは思えません。そこで詳しい人に聞いてみたところ、そういうホテルのお客さんは海外から来る富裕層が100%で現地の人は絶対に泊まらないとのことでした。なるほど…。

しかし考えてみると、今の日本が同じ状態になってきているのです。この30年間で主要先進国は物価も賃金も大幅に上昇しています。新興国の中には給与水準が10倍以上に上昇したところもあります。ところが日本は30年間ほぼ変わっていません。

つまり、かつて私がチェックした発展途上国と日本が同じ状態になりつつあるというわけです。東京で1泊30万円するホテルが本当に海外からのお客さんばかりになってしまいそうです。

最高級ホテルが日本にもできたといって喜んでいるわけにはいきません。日本が今おかれている現状を真剣に考えた方がよさそうです。