もちろんどこの国にもあります。愛国心が強い人たちは世界中にいますし、国外から来た人を差別する文化は(残念ながら)ほとんどの国にあるでしょう。

それが日本の場合は孤立した島国であり、他国と陸続きでないためか、異常なくらい強い気がします。「外人、日本人」とか「世界と日本」とか、200もある国や国籍をたった2つにわけること自体、無理があると私は思うのですが…。

同じことは日本国内でも言えます。コロナ禍で緊急事態宣言などが出ている時に痛感しました。

当たり前ですが、日本には実質的に県境も市境も村境もありません。隣の町、隣の市だからといって人を差別することもありません。でもなぜかあの時は県単位で「おらが村」になってしまい、他県の人を排除する動きになってしまいました。市でも町でもなく県単位にしたのです。そもそも人やモノの動きには県の区別などなく、大勢の人や車、物資が緊急事態宣言中でさえ毎日頻繁に行き来しているのに、田舎の店舗などで「県外の人お断り」「東京の人お断り」というのは、江戸時代ならともかく、令和の今ではかなり無理があるでしょう。

まああの時はみんながコロナパニックに陥り、冷静さを失い、当たり前のことが分からなかったのだと思います。その一方で、私たちの心の中にいまだに強い村意識があるのも事実です。

国境を越えたグローバリゼーションが加速するこれからの時代、そんな村意識が足を引っ張らないことを祈るばかりです。