先日のセミナーである大企業の社長さんが、「私がこの会社を起業した時は、今のようにスタートアップとか起業家とかカッコいい言葉すらなく、脱サラと言われていました。」という話をされていました。
確かに…私が社会人になりたての頃、大企業の中では辞めることを悪、いや極悪とする風潮が強くありました。そして(大企業に限らず)会社を辞めて自分の会社を作ることを「脱サラ」と呼んでいた記憶があります。「脱サラ」といえば、なんだか「サラ金」と似た響きがあり、やはり悪いことのように考えてしまいます。
今の時代、大企業でも入社から3年以内に辞める人が30%になったそうです。ずいぶん増えたという印象です。私の時は恐らく1%程度、多くても5%程度だったのではないでしょうか?その大半は起業ではなく転職だそうですが、それでも大きな進歩でしょう。
中国や欧米の先進国と比べて日本での起業が非常に少ない大きな理由は、意識の問題でしょう。日本では起業を良いこととしない文化がまだ根強くあります。昨年の内閣官房資料によると「起業を望ましい」と考える人の割合は中国79%、米国68%、英国56%に対して、日本はわずか25%だそうです。自分のまわりを見ても、いまだに「xxさんの息子さんはA大学を出てB銀行に就職した」ということを自慢話にしている人が沢山います。こういう話を聞くたびに、私はとても残念に思います。
政府も本腰を入れて起業をサポートする考えを示していますが、この文化を変えない限り日本が欧米に追い付くのはまだ厳しいようです。