先日そんな会社の話を聞きました。社内のビジネス用チャットや掲示板で家のことや趣味のこと、ペットのことなど仕事に関係ないことを話題として色々と出すことにより一体感を高めるという方策らしいです。

かつて日本の職場では、会社帰りの一杯でざっくばらんな話をすることで職場内で仕事の枠を超えた関係を築いていました。それどころか、社内や部署内の宴会も頻繁にあり、社内の運動会や週末の職場旅行など色々と行事があったものです。もちろんすべて勤務時間外です。それにより全員が一体化し、チーム力を発揮していたのです。生活と仕事の区別もなくなり、会社に対する帰属意識も高かったと言えます。今や日本でそんなことをする会社は稀ですし、やり方によっては違法になってしまいます。

これを日本だけの習慣と思っている人も多いかも知れませんが、そんなことはありません。私が勤めたことがあるカナダの会社でもフランスの会社でも年数回は全社ミーティングなどを2-3泊の宿泊付きで行うことが一般的でした。もちろんその際には宴会があり、ミニツアーなどのイベントがあります。会社帰りの一杯もありました。私自身、仕事仲間の家族と食事したり、家に招かれて泊ったりしたことも何度となくありました。

今の日本は強い個の時代であり、プライベートを重視する時代です。平日と週末、仕事とプライベートを分け、公私混同を一切しないこともいいでしょう。その一方で、会社として本来不可欠な帰属意識やチーム意識を高めるための方策も、何らかの形で考えることも必要だと思います。