英文を日本語に翻訳する際、どこまでを漢字にし、どこまでをカタカナにしておくかは翻訳者が常に悩むところです。

日本語の読みやすい文章は、「ひらがな・漢字・カタカナ=7・2・1」と言われています。しかし実際問題として、今の時代、「スマホにアプリをインストール」というようなカタカナ9割の表現は珍しくありません。この中でどの言葉も日本語に置き換えるのは難しいでしょう。

元々日本になかったものは、そのままカタカナにするのが一般的になりました。

その昔、コンピューターが初めて日本に入ってきた頃は「電子計算機」と訳されていました。恐らくその頃は計算することがコンピューターの主な機能だったのかも知れません。今や計算は無数にあるコンピューターの機能のわずか一部に過ぎません。それをまだ電子計算機と呼ぶことは無理があります。やはり日本に該当するものがなければ、英語をそのままカタカナにするしかないのです。

さらに昔、明治時代なって初めて「speech」や「debate」という概念が日本に来た時、該当する日本語がなかったために福沢先生は「演説」「討論」という言葉を作られました。当時の偉人は、日本語にないからといってカタカナにするのではなく、そこで日本語を新たに作ったというわけです。

今の時代、これだけ多くの言葉が海外から入ってきているので、すべてに対して新しい日本語を作るのは不可能なのかも知れませんね。