私が社会人になった頃、日本の会社では週1-2回程度、仕事帰りに上司と一杯飲みに行くというのは当たり前でしたし、2、3か月に1回程度は部署内全員が飲みに行く宴会がありました。また年1回社員旅行があり、年1回、全社運動会がありました。そうやってみんなで仲間意識を高めていったものです。

今、この中のどれもやっていない日本の会社が多いのではないでしょうか?それどころか、仕事帰りに上司が部下を誘うこと自体、NGになっている風潮があります。社員旅行や週末の行事を禁止にしている会社もあります。会社として開催する宴会は残業代を払い、週末の行事や旅行は休日出勤手当を払う必要があるなどと言われていますね。

「こんなことをやっていたのは日本だけだ」と勘違いしている人もいるようですが、そんなことはありません。欧米の会社でも年1-2回は全社が集まって2泊、3泊程度の会議+勉強会+遊びのイベントをやることが多々あります。私が勤めたカナダ企業、フランス企業とも大々的にやっていましたし、今お客様としてお付き合いがある欧米企業も年数回全社イベントをやっています。こうやって欧米らしいやり方で仲間意識を築いています。英語では「チームビルディング(team building)」と呼んでいます。

海外映画を観ていても、みんなで遊びに行ったり、スポーツを楽しんだり、上司の家でBBQをやったりというシーンがあるでしょう。最近ヒットした「トップガンマーベリック」だってチームビルディングと称して、みんなが一緒にビーチでスポーツを楽しむシーンがありました。

日本では今、勤務時間外の付き合いをすることが極端に減っている中、チームビルディングが出来ない環境になりつつあります。欧米の企業以上にチームビルディングに長けていたのが日本企業の強みであったはずなのに…これでいいのか、今後どうなるのか、心配です。