「テレビコマーシャルやっているあの会社、営業が熱心だから契約したものの、その後のサポートが最悪!」なんて会話を耳にして、とても「あるある」だなと思いました。

もう10年以上も前、米国発のあるサービスが日本でも大ブレイクし、破竹の勢いで成長しました。私は当時の創業メンバーとたまたま話す機会があり、裏話を聞いたところ、本当にこれまでに誰も経験したことがないどころか、日本に先例がないというレベルで短期間に急成長したらしいです。そのためピーク時は月1,000人以上という人材を新規採用することなったそうです。すると当然、人を選んでいる余裕はありません。とにかく応募してきた人は犯罪歴などがない限りほぼ無条件で採用するしかなかったわけです。教育する時間もありません。そうすると…やはりサービスの質が著しく低下するわけです。

その結果、大きな不祥事が起きてしまい、マスコミに大きく叩かれました。そして、それだけが原因ではないものの、色々なことがあって最終的には日本から撤退してしまいました。

何もこの会社だけではありません。世の中、急成長に人材が追い付かないのは、色々な会社、色々な業界に起こっています。Facebookだって創業当時は会員数が急速に増え、システムに莫大な負荷がかかってしまい、それを支えるのが人的にもシステム的にも大変だったというエピソードがあります。

最近身近なところでは、コロナ後に需要が急回復したホテルやレストランが同じです。人が足りず、サービスが追い付かない事態になっています。

会社や事業を成長させることばかりに目が行ってしまうと、サービスが追い付かなくなってしまうものです。急成長後に急落しないよう、サービスの維持にも十分に気を配ることが不可欠なのだと思います。