お客様との約束日時を間違えるということは本来なら決してあってはならないことなのですが、実際には残念ながら起こってしまいます。紙の手帳で予定管理していた時代でもスマホ+クラウドで予定管理する時代でも、紙とクライドという違いはあるものの、結局は人間が手で入力し、頭で記憶しておくことなのです。

もう20年も前、まだスケジュールを電話で決めて紙の手帳に管理していた時代のことです。当時の上司に付いてお客様のところに行ったところ、いきなり、「え?約束は明日でしょう!何でこんなことになるのですか?」と随分冷たくお客様が私の上司に言い放ったことがありました。しかし、その約束はどう考えても私たちの方が正しく、確かにその日で合っているはずなのです。私は横から「合っていますよ!間違いなく今日です!」と言い返そうとしたところ…上司に制止されました。そして、「大変申し訳ございません。明日、出直して参ります。」とその上司は相手に頭を下げたのです。私はびっくりしましたが、逆らうこともできず、一緒にお詫びをしてその場を去りました。

今考えてみたら、その通りですね。

そこで自分たちが正しいことを主張して、たとえ相手を打ち負かしたとしても何一つ得することはありません。いや、それどころか相手は打ち負かされたと思って気分が悪くなるかも知れません。それなら謝った方がビジネス上は得なのです。

プロとして当然の対応だったのです。

そんなミスを繰り返すこともありませんが、百戦錬磨の上司からプロとは何かを学んだ気がしました。