中国を含む他の先進国から10年以上遅れ、日本でもやっとキャッシュレスが浸透し、電子決済やカード決済が当たり前になってきました。しかしその一方でいまだにカード払いは別途手数料を取る店があるのは驚きです。

確かに現金と違ってカードで支払われた場合、店がカード会社に数パーセントの手数料を払う必要があり、特に利鞘が低い商売ではその負担が大きいのでしょう。

ところがですね…。
現金ならタダだと思っている人が多いのですが、そんなことはありません。

キャッシュレスと違い、現金なら毎日おつりを用意する必要があります。数日に一回、銀行に両替しに行く人も多いはずです。そして支払い時には時間がかかり、間違いなども起こります。さらに一日の終わりには〆の作業があり、現金を数えなくてはなりません。そしてその現金を金庫に入れて厳重保管するか、その日のうちに銀行に持って行って夜間金庫やATMで預け入れる人もいるでしょう。これらの現金作業に費やした時間は、そのままイコール費用なのです。

従業員にやらせればタダだとか、自分でやればタダだとか思っているのは大きな間違いです。労働はタダではありません。時間もタダではありません。すべてに対して大きなコストが発生しているのです。そう考えれば、カード支払いに手数料を上乗せするのではなく、現金支払いに手数料を上乗せした方が理にかなっていると思います。

このコスト認識がない当たりも、やはり日本の生産性が低い理由の1つかも知れません。