技術の世界で専門的には「フォールトツリー解析」(FTA:Fault Tree Analysis)と呼ばれていますが、そんなに難しく考える必要はありません。私たちが日常的に行っていることです。

例えば朝起きて体調が悪い時、大抵の人は意識、無意識にかかわらず次のように考えるでしょう。

・睡眠時間はたっぷりとったか?(Yes、No)
・昨夜飲み過ぎていないか?(Yes、No)
・昨日何か疲れるようなことはしていないか?(Yes、No)
・熱はないか?(Yes、No)
・咳、くしゃみはないか?(Yes、No)

そして大まかな原因を自分で判断し、それによっては頑張って出勤したり、休んで病院に行ったりという行動になるわけです。

テレビが映らない時も同じです。

・停電ではないか?他の家電は使えているか?(Yes、No)
・コンセントはつながっているか?(Yes、No)
・本体のスイッチは押されているか?(Yes、No)
・リモコンの電池は入っているか?(Yes、No)

という感じでしょう。稀に、「テレビが映らない!」と騒ぐだけの人もいますが、このくらいは体調が悪いときの判断と同様、常識的に多くの人がやっていますね。

車のエンジンがかからない時、パソコンの電源が入らない時も同じです。上記のようにある程度は自分で判断できることなのですが、いきなり断念してサポートに電話する人も多いようです。

ホームページが表示されない時、メールが使えないときなど、私たちの仕事だって何ら違いはありません。「ネットにつながっているか?」「他のホームページは表示されているか?」「メールが使えないのは自分だけか?他の人も同じか?」「送信または受信だけか、両方ともか?」「違うパソコンではどうか?」など、1-2分ほど調査するだけで解決することが多いものです。

この程度のフローチャート式原因究明には高度な知識も経験も不要ですし、理系・文系なんて何の関係もありません。誰にでも簡単にできることです。でも考えようともしないで簡単にあきらめる人が意外なほど多いものです。

分野や難易度にかかわらず、日頃から、とりあえず自分で一通り考えてみる習慣はとても大切だと思います。