海外のお客様からよく聞かれる質問です。欧米のビジネスマンが広く使っているLinkedInはなぜ日本で普及しないのでしょうか?いくつか理由が考えられます。
1.日本独自のビジネス文化
日本では、終身雇用の傾向が強く、また社内での人脈構築が重視される傾向があります。そのため、外部でのネットワーキングや転職を前提としてSNSを利用する人が少ないようです。LinkedInは転職活動やキャリア構築、社外とのネットワークづくりに重点を置いたプラットフォームであるため、そうした文化的背景の中ではあまり利用されていません。
2.LinkedInの日本市場への適応不足
FacebookやLINEに比べ、LinkedInのインターフェースや機能が日本の習慣や言語に完全には適応していないと感じるユーザーも多いようです。また、日本語でのコンテンツが他の国に比べて少なく、プラットフォーム自体の魅力を感じにくいことも普及を妨げる要因でしょう。
3.名刺文化の強さ
日本では、名刺交換がビジネスの基本的な交流手段とされており、オンラインでのつながりよりも対面での関係構築が重視される傾向があります。名刺交換を行うことで直接的なつながりを感じ、信頼関係が築かれると考えられています。そのため、ビジネス上ではオンラインでのつながりの重要性が相対的に低くなっているようです。
4.プライバシーの懸念
日本では、欧米と比べてプライバシーに対する意識が高く、オンライン上での個人情報の共有に慎重な人が多いです。LinkedInは顔写真に加えて職務経歴やスキルなどを公開することが前提となっていますが、それに抵抗を感じる人も多く、利用をためらう原因となっています。本来、文字通り顔写真を登録して公開するためのSNSであるFacebookですら、顔写真を出していない人が多い文化なのです。
他のSNSと比べて1/10程度の普及率であるLinkedInが日本でビジネスで活用されるには、まだ時間を要しそうです。